開催日時:平成27年6月6日(土)13:00-15:50
開催場所:函館短期大学食堂・調理室
参加者数:親子10組20名
共 催:公益社団法人日本フードスペシャリスト協会
函館短期大学では、函館市内の子どもとその親を対象に、“野菜スイーツでTEA PARTY!!”というテーマで食育講座(共催:日本フードスペシャリスト協会)を開催いたしました。本学の所在する北海道ではたくさんの野菜が生産されていますが、嫌いな食べ物の代表格としてその野菜が挙げられることも少なくありません。実際に野菜に触れたり、親子で一緒に調理したりすることで、野菜を好きになり、そのおいしさに改めて気づいてもらえたらと考え、本講座を開催いたしました。調理実習では、昨年度に引き続き北海道産の食材(卵、牛乳、ほうれん草など)を使用し、“3時のおやつ”として野菜のカップケーキとオレンジゼリーを作りました。また、調理実習後には、ボランティアとして参加した本学食物栄養学科で栄養教諭を目指す学生や、本学保育学科で保育士・幼稚園教諭を目指す学生が野菜講座を開き、様々な野菜の特徴を、実際に提示したりクイズ形式で出題したりして楽しみました。本講座を受講する子どもたちと触れ合うことで、学生の将来の職業・資格に対する意識を明確化することも目指しています。
調理室では調理実習の下準備を行い、食堂には名札や白衣、サンダル等を並べ、廊下には受付やポスターを設置して、参加者の皆さんをお迎えする準備をしました。
講座が始まるまで、スタッフや友だちとお話をしながら待ちました。遅刻も欠席もなくお集まりいただきました。いよいよ開講式が始まります。
本学保育学科の三沢大樹専任講師が司会を務めました。はじめに猪上徳雄学長より開講の挨拶を行いました。何でも手に入り何でも食べられる時代だからこそ、身体のことを考えて、自分自身で選び、工夫しながら食べてほしいと話されました。その後、司会より本日のスケジュールとメニューの説明、教員および学生ボランティアの紹介が行われました。
子どもたちは、学生ボランティアに手伝ってもらいながら白衣に着替え、靴を履き替えて、帽子・マスクを装着して調理室へ移動しました。しっかり手を洗えば準備万端です。学生ボランティアの岡本さんと丹野さんが先生となり、お手本を示しながら調理を進めました。
はじめにオレンジを絞りました。子どもたちは「このくらいでいいかな?まだかな?」と言いながら一生懸命作業をしました。足りない分はオレンジジュースで補い、その後、学生ボランティアが火にかけながら粉寒天を溶かしました。最後に、中身をくりぬいたオレンジに果汁を流し入れますが、子どもたちは手伝ってもらいながら、慎重に、容器のふちまでなみなみ注ぎました。あとは冷え固まるのを待つだけです。
最初に野菜をみじん切りにしました。お母さんと一緒に切る子どもや、普段料理をしないとおっしゃるお父さんも頑張りました。次に卵と砂糖をぐるぐる混ぜ、牛乳と野菜を入れました。ほうれん草を入れた方は緑色に変化し、「わぁ、緑色になったー!」という子どもたちの声が聞こえてきました。ケーキ型に流し入れるときには、「一人で出来るよ」と挑戦する子どもを大人が横で見守り、無事に終えると「上手上手!」と自然と拍手が生まれました。最後にオーブンへ入れ、焼きあがるのを待つだけです。「疲れた~」「ちょっと難しかった」と話す子どもたちに、ちょっとしたご褒美がありました。先生から、「オレンジゼリーを作るときに余ったオレンジジュースを飲んでもいいよ」と聞くと、「やったー!」と言いながらうれしそうにジュースを飲んでいました。
オレンジゼリーが冷え固まり、カップケーキが焼きあがるのを待つ間、食物栄養学科・保育学科の両学生ボランティアによる野菜講座が行われました。はじめは、野菜クイズをし、色々な野菜の断面の写真を見せ、何の野菜か当ててもらいました。そして、実物を見せながら、その野菜の働きについて分かりやすく説明しました。続いて、折り紙で野菜作りに挑戦しました。黄色と緑色の両面折り紙を使って、とうもろこしを折りました。仕上げに、ペンで粒の線を描いたら出来上がりです。パクパクと食べる真似をする子どももいました。最後に、学生ボランティアから、野菜クイズにも出てきたほかの野菜(トマト、ピーマン、ナス)の折り紙をプレゼントされ、子どもたちはとてもうれしそうでした。
食堂にいい匂いが漂ってきました。いよいよ待ちに待った“TEA PARTY”の始まりです。親子で作ったオレンジゼリー、ほうれん草とにんじんのカップケーキに加え、アイスティーと牛乳もテーブルに並びました。全員で「いただきます」をすると、会場のあちらこちらから「美味しい!」の声とともに笑顔があふれました。スタッフ一同ほっと胸をなでおろしました。試食後、本講座へのアンケートにご協力いただきました。
三沢大樹専任講師の総括の後、清水陽子助教より閉講の挨拶をいたしました。本講座を通して、野菜に親しみ、親子で一緒に心と身体の健康について考えてもらえたらと話されました。最後に、学生ボランティアが、子どもたち一人ひとりに地元の野菜をプレゼントし、見送りました。
函館短期大学の一般の方を対象とした食育講座は、今回で6回目の取り組みでした。大きな怪我や事故もなく、無事に終了いたしました。本講座へのアンケートの集計結果からは、親子ともに満足度がとても高いことが伺えました。今回の食育講座を経て、学生ボランティアは、実際に子どもたちを指導する難しさや準備の大切さを感じるとともに、子どもと触れ合う楽しさや、講座を成功させた達成感を十分に味わうことが出来たようです。これから各施設で実習を行う学生たちは、今回の講座を通して、栄養教諭や幼稚園教諭、保育士になるという自分たちの目標がより明確になったのではないかと思います。
また、ご参加いただきました皆様には、野菜の栄養や働きを学び、親子で協力してお菓子作りを体験していただきました。本講座をきっかけに、少しでも好き嫌いが減り、食事をする楽しさなどを感じていただければ幸いです。
なお、講座当日は、函館新聞、北海道新聞、北海道通信が来訪し、後日記事等で報道されました。
6月8日 函館新聞朝刊 | 6月9日 北海道新聞夕刊 | 6月12日 北海道通信 |